逸話篇

23. たちやまいのおたすけ

 松村さくは、「たちやまい」にかかったので、生家の小東家で養生の上、明治四年正月十日、おぢばへお願いに帰って来た。
 教祖は、いろいろと有難いお話をお聞かせ下され、長患いと熱のためにさくの頭髪にわいた虱を、一匹ずつ取りながら、髪を梳いておやりになった。そして、更に、風呂を沸かして、垢付いたさくの身体を、御手ずから綺麗にお洗い下された。
 この手厚い御看護により、さくの病気は、三日目には、嘘のように全快した。