逸話篇

19. 子供が羽根を

「みかぐらうたのうち、てをどりの歌は、慶応三年正月にはじまり、同八月に到る八ヵ月の間に、神様が刻限々々に、お教え下されたものです。これが、世界へ一番最初はじめ出したのであります。お手振りは、満三年かかりました。教祖は、三度まで教えて下さるので、六人のうち三人立つ、三人は見てる。教祖は、お手振りして教えて下されました。そうして、こちらが違うても、言うて下さりません。
 『恥かかすようなものや。』
と、仰っしゃったそうです。そうして、三度ずつお教え下されまして、三年かかりました。教祖は、
 『正月、一つや、二つやと、子供が羽根をつくようなものや。』
と、言うて、お教え下されました。」
 これは、梅谷四郎兵衞が、先輩者に聞かせてもらった話である。