逸話篇

127. 東京々々、長崎

 明治十六年秋、上原佐助は、おぢばへ帰って、教祖にお目通りさせて頂いた。この時はからずも、教祖から、
 「東京々々、長崎。」
というお言葉を頂き、赤衣を頂戴した。
 この感激から、深く決意するところがあって、後日、佐助は家をたたんで、単身、赤衣を奉戴して、東京布教に出発したのである。