逸話篇

93. 八町四方

 ある時、教祖は、中南の門屋にあったお居間の南の窓から、竹薮や田圃ばかりの続く外の景色を眺めておられたが、ふと、側の人々に向かい、
 「今に、ここら辺り一面に、家が建て詰むのやで。奈良、初瀬七里の間は家が建て続き、一里四方は宿屋で詰まる程に。屋敷の中は、八町四方と成るのやで。」
と、仰せられた。
註 「おさしづ」に、
 小さい事思てはならん。年限だん/\重なれば、八町四方に成る事分からん。      (明治二七・一一・一七)
 年限々々、これまで存命の間経ち来たと言う。一里四方宿屋もせにゃならんと言う。一里四方も未だ狭いなあ、とも言うてある。
       (明治二六・二・六 刻限)