逸話篇

92. 夫婦揃うて

 梅谷四郎兵衞が、入信して間のない頃、教祖にお目にかかると、
 「夫婦揃うて信心しなされや。」
と、仰せ下された。早速、妻のタネに、「この道というものは、一人だけではいかぬのだそうであるから、おまえも、ともども信心してくれねばならぬ。」 と話したところ、タネも、素直にしたごうた。そこで、先輩に教えられた通り、茶椀に水を入れ、おぢばに向かって、
なむてんりわうのみこと
と、三遍唱えて、その水を二人で分けて飲み、お誓いのしるしとした。