明治十五年七月、大阪在住の小松駒吉は、導いてもらった泉田藤吉に連れられて、お礼詣りに、初めておぢばへ帰らせて頂いた。コレラの身上をお救け頂いて入信してから、間のない頃である。
教祖にお目通りさせて頂くと、教祖は、お手ずからお守りを下され、続いて、次の如く有難いお言葉を下された。
「大阪のような繁華な所から、よう、このような草深い所へ来られた。年は十八、未だ若い。間違いのないように通りなさい。間違いさえなければ、末は何程結構になるや知れないで。」
と。駒吉は、このお言葉を自分の一生の守り言葉として、しっかり守って通ったのである。