逸話篇

138. 物は大切に

 教祖は、十数度も御苦労下されたが、仲田儀三郎も、数度お伴させて頂いた。
 そのうちのある時、教祖は、反故になった罫紙を差し入れてもらってコヨリを作り、それで、一升瓶を入れる網袋をお作りになった。それは、実に丈夫な上手に作られた袋であった。教祖は、それを、監獄署を出てお帰りの際、仲田にお与えになった。そして、
 「物は大切にしなされや。生かして使いなされや。すべてが、神様からのお与えものやで。さあ、家の宝にしときなされ。」
と、お言葉を下された。