逸話篇

55. 胡弓々々

 明治十年のこと。当時十五才の上田ナライトは、ある日、たまたま園原村の生家へかえっていたが、何かのはずみで、身体が何度も揺れ動いて止まらない。父親や兄がいくら押えても、止まらず、一しょになって動くので、父親がナライトを連れて、教祖の御許へお伺いに行くと、
 「胡弓々々。」
と、仰せになった。それで「はい。」 とお受けすると、身体の揺れるのが治まった。
 こうして、胡弓をお教え頂くことになり、おつとめに出させて頂くようになった。