逸話篇

164. 可愛い一杯

 明治十八年三月二十八日(陰暦二月十二日)、山田伊八郎が承って誌した、教祖のお話の覚え書に、
 「神と言うて、どこに神が居ると思うやろ。この身の内離れて神はなし。又、内外の隔てなし。というは、世界一列の人間は、皆神の子や。何事も、我が子の事思てみよ。ただ可愛い一杯のこと。
 百姓は、作りもの豊作を願うて、それ故に、神がいろいろに思うことなり。
 又、人間の胸の内さい受け取りたなら、いつまでなりと、踏ん張り切る。」
と。